あの日あの時
未だに忘れられない出来事。
3月11日がくると、あの日あの時、自分は何をしていただろうかと必ず振り返る。
車に乗っていた。
揺れを感じて怯えた。
茨城に戻る途中、対向車線が渋滞していた。
コンビニに人が溢れていた。
スーパーに食べ物がなかった。
電気もガスも止まった。
あんな日は、もう来て欲しくないと本気で思う。
ただ、どんな恐怖も悲しみも、時間は癒しを与えてくれる。
いまなお家に帰れない人たちもいる中、どうしても記憶は薄れ、また日常を取り戻す。
人々が記憶を記録として残すのは、安心して忘れられるようにするためかとしれない。
最近読んだ本に書いてあった。
決して忘れてはいけないものと思い込み、いつまでも前に進めないことは良くない。
だから、記録に残すことで、「忘れていい、いつでも思い出せるから」という安心感を与える。
これは真理だと思った。
「忘れてはならない出来事」
そんな風に謳うメディアは、本質を見抜けていないのかもしれない。
ゆい